地域調査士認定規定細則

(業務の円滑な遂行と信頼の保持のために留意すべき事項)
第1条 公益社団法人日本地理学会地域調査士認定規程(以下、規程という。)第3条第2項に規定する留意すべき事項の具体的な内容は、次の各号のとおりとする
  1. (1) 調査は、常に科学的な意図と手続きをもって企画・実施すること。
  2. (2) 調査を実施する国・地域の法令、慣習を順守すること。
  3. (3) 調査の趣旨を十分に説明し、関係者の理解を得た上で実施すること。
  4. (4) 個人情報の保護に努めるとともに、人権・プライバシーを最大限尊重すること。
  5. (5) 地域住民の生活や関係機関の業務をむやみに妨害しないこと。
  6. (6) 誤解を受ける言動をとることのないよう努めること。
  7. (7) 学会などの組織としての見解と個人の見解とを峻別すること。
(同等の能力を有すると認める基準)
第2条 規程第4条第2項の基準は、次の各号のいずれかとする。
  1. (1) 地域調査に関して3年以上の実務経験を有し、博士論文としての水準を十分満たしていると認められる地域調査に関する論文を執筆し、査読を経て学術誌又はこれに準ずる書誌に掲載されること。
  2. (2) 大学若しくは大学院又は調査研究を主たる目的とする機関において、教授若しくは准教授又はこれらに相当する者として、地域調査に関して5年以上の研究及び教育の経験を有すること。
(地域調査士の科目の認定基準)
第3条 規程第5条第1項の基準は、別表第一の地域調査士の標準カリキュラムと同等の内容を有するものであることとする。

(専門地域調査士の科目の認定基準)
第4条 規程第5条第2項の規定に基づいて準用する同条第1項の基準は、別表第二の専門地域調査士の標準カリキュラムと同等の内容を有するものであることとする。

(集会の認定基準)
第5条 規程第6条第1項の基準は、地域調査に関する研究の発表及び討論を行うことを目的の一つとする集会であって、一般又は主催団体の会員に公開されるものであり、公益社団法人日本地理学会(以下「学会」という。)が主催する大会その他の集会と同等以上の水準の学術的な討論が期待できると認められるものであることとする。

(地域調査士の論文の認定基準)
第6条 規程第6条第2項の基準は、地域調査が主要な構成要素となっている論文であって、次の各号のいずれかに該当するものであることとする。
  1. 一 大学の卒業論文としての水準を十分満たしていると認められるもの。
  2. 二 大学の卒業論文として合格したもの又は単位を認定されたもの。
  3. 三 大学院の修士論文として合格したもの又は単位を認定されたもの。
  4. 四 2単位以上を取得した地域調査に関する卒業研究若しくはこれに相当する科目において提出された所定の報告。
(専門地域調査士の論文の認定基準)
第7条 規程第6条第4項の規定に基づいて準用する同条第2項の基準は、地域調査が主要な構成要素となっている論文であって、修士論文としての水準を十分満たしていると認められるものであることとする。

(地域調査士の講習の基準)
第8条 規程第7条第1項の基準は、次の各号の講義を含むものであることとする。
  1. (1)  地域調査の実施に当たって順守すべき法令に関する1時間以上の講義
  2. (2)  個人情報の保護に関する1時間以上の講義
  3. (3)  人権に関する1時間以上の講義
  4. (4)  地域調査士の心構えに関する1時間以上の講義
(専門地域調査士の講習の基準)
第9条 規程第7条第2項の規定に基づいて準用する同条第1項の基準は、次の各号の講義を含むものであることとする。
  1. (1) 地域調査の実施に当たって順守すべき法令の事例研究に関する1時間以上の講義
  2. (2) 個人情報の保護の事例研究に関する1時間以上の講義
  3. (3) 人権の事例研究に関する1時間以上の講義
  4. (4) 専門地域調査士の心構えに関する1時間以上の講義
(申請書の記載事項)
第10条 規程第8条第1項の事項は、次の各号のとおりとする。
  1. (1) 現住所
  2. (2) 職業
  3. (3) 卒業した大学並びに学部、学科、専攻課程又はこれらに相当するものの名称
  4. (4) 卒業した年月又は卒業する見込みの年月
  5. (5) 認定の要件とする論文の題名並びにそれが掲載された書誌の名称及び発行年月日(論文以外の場合は、これらに相当する事項)
2 規程第8条第3項の規定に基づいて準用する同条第1項の記載事項は、前項に準ずるものとする。この場合において、「大学」は、「大学院」と読み替える等必要な読み替えをするものとする。

(公開する事項)
第11条 規程第10条第1項の事項は、次の各号のとおりとする。
  1. (1) 生年
  2. (2) 認定年月日
(地域調査士認定見込み書発行に係る基準)
第12条 規程第11条第4項の基準は、大学に2年を超えて在籍する者であって、規程第4条第1項の講習を修了し、大学において、規程第4条第1項の科目を履修した者、又は規程第4条第1項の科目のうち、別表第一に掲げる科目中地域の概念及び特性に関する科目に相当する科目及び地域調査の技法に関する科目に相当する科目を履修し、地域調査実習に関する科目に相当する科目を履修中である者であることとする。

(認定手数料)
第13条 規程第12条第1項及び第3項の手数料の額は、別表第三のとおりとする。

(専門地域調査士の活動の実績に関する審査の基準)
第14条 規程第13条第2項の基準は、専門地域調査士がその認定を受けた日(同条第3項の規定に基づいて準用する同条第2項の認定を受けた専門地域調査士にあっては、引き続き専門地域調査士の資格を有することとなった期間が開始する日)以降において、次のいずれかに該当する活動を行ったと認められるものであることとする。
  1. (1) 学会が主催する大会その他の集会又は第5条の基準に基づいて認定委員会が認定した集会において2回以上研究成果の発表を行うこと。
  2. (2) 学術誌又はこれに準ずる書誌に地域調査に関する論文を執筆し、査読を経て掲載されること。
(異議申し立て)
第15条 資格認定に関して異議のある者は、審査結果の通知から一月以内に、決定を不当とする理由を明記した文書を理事長に提出し、再審査を請求することができる。

2 理事長は、前項の異議申し立てを受けた場合は、異議申し立て者に対し再審査の結果をその理由を明記した文書を付して通知するものとする。

3 異議申し立ての棄却に対する再審査の請求は認めない。

(改 廃)
第16条 この細則の改廃は、理事長が行う。

附則
  1. この細則は、平成22年4月1日から施行する。
  2. この細則は、公益社団法人日本地理学会設立の日から施行する。
  3. この細則は、平成25年4月1日から施行する。

別表第一 地域調査士の標準カリキュラム
大項目 小項目 単位数
地域の概念及び特性に関する科目 地域の概念を扱う科目
(地理学原論、人文地理学又はこれらに類する科目)
2単位
日本の地域特性を扱う科目
(日本地誌又はこれに類する科目)
2単位
地域の自然的特性を扱う科目
(自然地理学(総合)、地形学、気候学、水文学
又はこれらに類する科目)
2単位
地域調査の技法に関する科目 統計処理に関する科目
(地域統計学又はこれに類する科目)
2単位
地図に関する科目
(地図学、測量学、GIS又はこれらに類する科目)
2単位
地域調査実習に関する科目 フィールドワーク
(地域の人文的又は自然的特性に関する調査)
1単位

別表第二 専門地域調査士の標準カリキュラム
大項目 小項目 単位数
地域調査の企画・設計に関する科目 地域調査を企画・設計し、実践的な知識と能力を習得する科目(※1) 2単位
地域の比較や形成・変容過程を把握する能力を習得する科目(※1) 2単位
地域調査の応用に関する科目 地域調査の結果から、地域の状態を客観的に捉え、かつ診断する能力を習得する科目(※2) 2単位
地域づくりや地域政策にかかわる能力を習得する科目(※2) 2単位
フィールドワークに基づく地域調査実習に関する科目 フィールドにおいて人文的又は自然的特徴に関する地域調査を実施し、地域を総観する能力を習得する科目 1単位
地域調査に関する演習(修士論文指導及び修士論文) 2単位
注) ※1及び※2は、どちらか一方の科目とする。


別表第三 手数料の額
区 分 手数料の額(税別)
1 規程第8条第1項(地域調査士の認定)の申請に係る手数料 5,000円
2 規程第8条第3項(専門地域調査士の認定)の申請に係る手数料
(本表4に該当する場合を除く。)
10,000円
3 規程第13条第2項又は同条第3項(専門地域調査士の更新)の
申請に係る手数料
10,000円
4 規程第8条第1項に基づく地域調査士の認定を受けている者の
同条第3項に基づく専門地域調査士の認定の申請に係る手数料
5,000円
5 規程第11条第1項に基づく地域調査士認定証明書の
発行に係る手数料(1通)
1,000円
6 規程第11条第3項に基づく専門地域調査士認定証明書の
発行に係る手数料(1通)
1,000円
7 規程第11条第4項に基づく地域調査士認定見込み証明書の
発行に係る手数料(1通)
1,000円
(平成22年3月13日常任理事会承認)
(平成24年4月14日理事会承認)
(平成25年3月9日常任理事会承認)